北海道農業に大きな影響を与える「日豪EPA」交渉について、政府は5日の関係閣僚会議で、年明けに交渉入りすることを正式に決定しました。

EPAとかFTAという協定が、連日報道されています。まずFTAとは自由貿易協定といわれ、物品の貿易ならば関税を引き下げようとかサービス貿易ならば外資規制などを無くそうというもので、お互いの垣根を前提にしています。それに対してEPAは、経済連携協定といわれFTAの要素を含みつつ、交渉する国同士が1歩踏み込んで、お互いの間の垣根を無くして、FTAよりは質において比較にならないほど深く、カバーする範囲も広いのが特徴です。

経済界からは、この協定を1日でも早く締結するように希望していますが、肝心な国民は、この協定についてどのくらい知っているのでしょうか。3年前に外務省が実施したFTAについての意識調査によれば、関心があるは20.4%、関心がないは59.6%。関心のない理由として、分かりにくいこと、生活に関係がないと思う、難しそうだからがあげられています。

国民にとって、よく分からないまま進められている協定交渉ということですと、行政の姿勢を定めた、和をもって尊しとする精神から外れていると思います。とりわけ、オーストラリアとの協定では北海道農業や経済に大きな影響が出ると警鐘が鳴らされているのですから。

道民の理解が得られないまま、しかも北海道の農業を犠牲にしてまで協定の交渉を急ぐ理由は、オーストラリアの資源の確保のことで中国に負けたくないということと、日本の企業が相手国で活動しやすいように、いわゆるビジネス環境整備を整えたい意向があると、外務省の説明会などで述べています。

そして、経団連副会長が外務省のタウンミーティングで食料の安全保障について「農業分野での海外への投資、WTOを通じた輸出国の規律強化、農産物禁輸の禁止等を通じたFTAによる安定的な輸入確保」で保証されると述べています。万一の場合については何も語られていません。

構造改革という名のもとに、北海道が試されていると思えてしまうのですが。関税が撤廃された例として、ドイツのリンゴのジュースの話しを先にいたしました。同じように、道民が北海道の農業を維持していこうとする活動が求められています。どちらかが一方的に負担する関係でなく、お互いの向上になっていく関係作りが大切になります。

福岡の例ですが、03年の実績で生産者が朝もってきて消費者が直接買う「ふれあい市」が252ヶ所にあり、販売額は120億円。出荷農家は1万7千戸、年間利用者数は2000万人とのこと。
(2006年12月05日)